Atriaの気ままブログ

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【前編】Mr.Children「miss you」を約1週間聴き込んだ感想 ~今までにないミスチルとの出会い

 

 こんにちは。Atriaです!

 

 今回は、Mr.Childrenの21枚目のアルバムである「miss you」が発売されて約1週間がたったので、感想を書いていきたいと思います。

 

 

 いやー、このアルバム。すごいですね…(語彙力)

 

 発売日は2023年10月4日なのですが、10/3にフラゲして、ひたすら聞きまくり、何となく口ずさむことができるくらいにはなりました。

 

 聞き込んでいる中で、あまりにもこのアルバムの雰囲気が暗いので、雰囲気に引っ張られて先週は少し気持ちが沈んでました(笑)。

 

 皆さん言ってることですが、曲名も、曲のサウンドや歌詞も、いい意味でミスチルっぽくない!!!

 とても新鮮な気持ちで聞けるのですが、なんか全体的に暗いんですよね。特に中盤らへんの曲たちはひどい(笑)

 「深海」(1996)や「DISCOVERY」(1999)らへんを思い出させるような感じです。

 ある意味では、このアルバムも「深海」と同じようにコンセプトアルバムなんでしょうか…

 

 先行配信されていた「ケモノミチ」を最初に聞いたとき、「miss you」のサウンドは「重力と呼吸」(2018)と「SOUNDTRACKS」(2020)を足して2で割った感じかなあとか思ってたんですが、そんなことは全然ありませんでした。

 なんかやっぱりミスチルっぽくない…サウンドはJ-POPでは少なくともないんじゃないかと思います。(素人意見)

 

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 そんな感じで、自分の中でこのアルバムについての感想が固まりつつあるようなないような感じなのですが、このタイミングでとりあえず言語化しておこうと考えました。

 


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 それではどうぞ!

 

目次!

 

 

1. I MISS YOU

 個人的にはとても好みの曲です。

 

 前作「SOUNDTRACKS」の1曲目である「DANCING SHOES」に似た雰囲気を持っている曲だなあ、と最初に聞いているときに感じた曲です。

 今もその感想は変わらないのですが、聞き込んでいくと似てるけど何か違うな…と感じてきました。

 

 「DANCING SHOES」は最初こそ暗い雰囲気であるものの、段々ストリングスが入ってきてエネルギッシュになり、最後には明るくなり、景色が開けてくるような感じがします。そして明るい曲調の「Brand new planet」につながっていく。

 

 しかし、それに対して「I MISS YOU」は最後まで暗い。最後の歌詞が「それが僕らしくて 殺したいくらい嫌いです」であることからも分かる通り、なんか病んでます(笑)

 歌詞が全体的に暗いし、サウンドもバンドサウンドではあるものの暗い…

 

 「迷って試して信じて疑って」「庇って𠮟って祈って歯向かって」は、失ってしまった恋人に対して昔にした行動なのかなあ。

 「何が悲しくって こんなん繰り返してる?」「誰に聴いて欲しくて こんな歌 歌ってる?」は、「I miss you」と繰り返しながら悩んで自問自答しているこの曲の主人公が目に浮かびます。

 

 なんか桜井さんの闇が垣間見える曲です。

 

2. Fifty’s map 〜おとなの地図

 


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 全然感想と関係ないんですけど、この曲を最初に聴いたとき、サビの最後に出てくるフレーズがら抜き言葉」になっているところがすごい気になりましたね。

 今まで桜井さんら抜き言葉使ってたっけ?(もしあったらスミマセン)

 「昂る鼓動を感じれたなら」「自信なんて無くても あるように見せれるさ」「この瞬間に生きていれたら」とおそらくわざと「ら」を抜いてるんだと思うんですけど…

 聞くたびに毎回気になる(笑)。現代人の言葉遣いに合わせてるのかなあ…

 

 おそらくアルバムのリードナンバーになるのはこの曲か「ケモノミチ」かになるのかなあ…

 聞いた印象は、前作の「Brand new planet」に近いポジションの曲ですよね。「Documentary film」がリードナンバーで、その次が「Brand new planet」みたいな。

 

 「バイクで闇蹴散らし 窓ガラス叩き割って」を最初のトレーラーで聞いたとき、完全に尾崎豊が頭をよぎりました(笑)。私はまだ20代ですが、なんかティーンエイジャーでなくなって段々物事を始めることに対して億劫になっていく自分があるのを感じていたので、50代の人たちに向けた曲であったとしても、心に染みるものがあると思いました。

 

 歌いだしで「誰にだって 『独りになれたら』と願う そんな時がある」と歌ってくれる桜井さんがとてもやさしくて好きな一曲です。こんな気持ちにまで寄り添ってくれるなんて、まさに「優しい驚き」でした。

 

 30年以上もMr.Childrenとして活動し、周りの期待に応え、時には超えてきた4人。そんな4人だからこそ、「『偶然』に助けられ なんとかやって来ただけのこと」と歌うことに意味があると思います。

 MVが「くるみ」のMVを使いまわしてる(笑)ということもあり、「Fifty`s map」は「くるみ」のアンサーソング的なところもあるのかなと思います。

 このアルバムの中では、いい意味で、一番今までのミスチルの曲っぽいですね。

 

3. 青いリンゴ

 こちらもこのアルバム内ではかなり明るい曲。

 アコギの軽快な音が青々としたリンゴをイメージさせます。

 

 歌詞を見ていると、「リンゴ=心」なのかなと思いました。

 成長して、年を取って、50代になった自分の心は傷がたくさんついていて(傷んだリンゴ)、「生まれ変わったら見たい世界があるよ」と自分の死後すらイメージしている。

 でもそれをゴミ箱に投げ捨てて、「いやまだ間に合う気もすんだ」と言いながら、自分の中にある、まだまだ青臭くて若い心(青いリンゴ)を信じて、まだまだ残りの人生を味わってこうぜ!…というストーリーなのかなと思いました。

 

 最初に聴いたときは、やけに明るい曲だなと思って、あまり耳になじまなかったのですが、聞き込むうちに歌詞に惹かれた曲ですね。

 

4. Are you sleeping well without me?

 たまらない一曲ですね。

 僕は大好きなんですが、X(旧Twitter)のアンケートでは想像以上に人気なくて悲しくなりました。

 確かに、このアルバムでなければ存在しえないくらい暗い曲ですが。これ4曲目ってマジ?

 ピアノと規則的に鳴るドラム?がなんかすごく重々しいですね…

 

 タイトルを意訳すれば、「僕が居なくても、君はよく眠れてるかい?」という感じですかね。主人公は、別れた恋人に少しでも自分と別れたことを悔しがっていてほしい、なんて想いが伝わってくるタイトルです。

 

 主人公も急にギター弾いてみたり、何回もコーヒーをこぼしたりと、彼女と別れてからの「新しい日々」は心ここにあらず、ですね。(ちなみにFifty's mapから3曲連続で「コーヒー」が出てきます。めっちゃコーヒー飲むやん。)

 本来はプラスの言葉である「新しい日々」がこんなにも重々しく歌われるもんですから、気持ちが引っ張られてしまいます(笑)。

 でも桜井さんの縋りつくような歌声が癖になる…

 

5. LOST

 明るいサビと暗い歌詞が対照的でインパクトのある曲です。

 ちなみにこの曲もめっちゃ好き。

 最初にはじまるときやサビで鳴ってる低音のサウンドが特に好き。

 

 この曲の凄いところが、なんかすごい夢に満ちたこと言ってるようなサウンドで、全然そんなことを言ってないという点ですね。歌詞を見たとき、かなり衝撃的でした。

 

 鏡に映る自分を見て、「『くたびれた顔してるな』って」「こんな自分をもう見たくない」と思う、っていう歌いだしだけで意味が分からん。

 

 サビも「掴んだ光さえ 歪んで闇に消えてった 取り返せもしないで また今日も立ち尽くしている」という、希望も何もなく、ただ本当に夢をつかめなかった人の思いが生々しく描かれています。

 

 頑張って夢をつかもうとしたり、他人に対して想いを伝えようとしたりしたけれど、結局それらを成し遂げることはできず、ただ立ち尽くしている。

 昔はそれでも「良いことがきっとあるよって」信じて前に進んでいたが、もはや今はそんなことはないと気づいてしまい、「星でも眺めて暮らしていたい」と思うほど疲れてしまった。

 もう「仕事終わりに飲むビールと 年老いた二匹の犬が僕の帰りを待っている」、そんな生活で満足だよ、と「それだけで良い」と繰り返し自分に言い聞かせるしかない、そんなありきたりな一人の人間の現実が描かれています。

 

 救いがなさすぎる…

 

6. アート=神の見えざる手

 「神様の見えざる手」の言い方がめっちゃ好き。

 このアルバム、というか今までのミスチルの中で一番といってもいいほどの問題作。

 最初に歌詞見たとき、やたら文字数が多いから、ずいぶん長い曲なのかな?と思ったら、普通に3:42って書いてあるからどんな曲なんだと思いました。

 

 ずっとしゃべってる…

 

 ラップなのかなあ…すごい不思議な曲です。

 インストの曲だったらペルソナ5で流してもばれないんじゃないかな、なんて思いながら聞いていたら、ん?ピー音?ん?もろセッ〇スって言ってね?

 

 いやー、もちろん今まで「マシンガンをぶっ放せ」とか「Monster」とか、下ネタが入ってた曲はあったけれど、よく聞いてれば認識できる程度でした。

 でも、この曲はラップ!言葉がもろに聞こえてくるから今までの曲の比にならないくらいヤバい曲になってる…

 

 でも、「SOUNDTRACKS」では鳴りを潜めていた桜井さんのキレッキレの社会風刺の歌詞は素晴らしいですね。もろ某国の名前を出してますけど、大丈夫でしょうか…

 

 歌詞を見てると、炎上商法の話をしてるんじゃないかな、と思いました。

 自分の恋人に対してDVしていて、それが原因で彼女は自殺してしまった。しかし、それは自分のせいではなく、神様のいたずらであると主張する。「神様の見えざる手」によるものである、と。

 この事件をきっかけにして、世間の注目は主人公に集まる。主人公はこの時、わざと「倫理 道徳に波風を立てて 普遍的なものを嘲笑」うことで「大衆を安い刺激で釣って 国家権力に歯向かってみせて」、世間に対して不満を持っている「半端もんの代弁者」になることに成功した。(カッターを突き付けられたこと、恋人に対するDV、ワイドショー、某国のアンビリーバブルな行動のくだりは、主人公が世間を炎上させるためのネタとして発言した内容?)

 もちろん、世論は一枚岩ではないから、「『酷い』とか『汚ねえ』とか『卑怯』とか」言ってくる者たちもいるが、それすらも自分が注目されていることの証拠であるため、主人公は嬉しさを隠せない。

 なんなら主人公は自分の行動について、「望まれたことに応えたいだけ 刺激が足りないって みんな言うから」と人のせいにする。

 こうすることで、主人公は「半端もんの代弁者」となり、炎上商法という「アート」を完成させたことになる。

 

 しかし、そもそも主人公が「アート」を完成させることになったきっかけは「神様の見えざる手」であったことから、タイトルが「アート=神の見えざる手」なのではないかと思いました。

 

 なんか考察記事みたいになっちゃった。

 なんでこんな狂気に満ちた歌詞を思いつけるん?

 ミスチルの4人は、どんな顔してこの曲のレコーディングしたんだろう?気になる…

 

 

 

 

 

 …思ったより長くなったので、前編・後編に分けようと思います。

 ということで、この続きは後編で。